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講演内容・動画

講演 3

「介護分野の革新、ICTの活用と社会革新」

高橋 泰

国際医療福祉大学 医療経営管理 教授 (武見フェロー)

 2010年から2040年にかけて若年人口は3000万人減少し、後期高齢者は1000万人増加する。このような急速な変化に対応するには、(1)介護の生産性を大幅に向上させる、(2)後期高齢者が省エネ型のライフスタイルの普及が、不可欠である。  (1)の実現の鍵となるのは、①本人の尊厳を尊重し、介護職員にとって 時間のかかるおむつ交換や食事介助の人数を結果的に減らすことになる自立支援型の介護の普及、②介護の構造化・見える化、③ハイテク機器の導入などである。(2)の省エネ型のライフスタイルの普及とは、死ぬ直前までトイレに行き、食べられなくなったら寿命と考える自立型老い、自然死を選択する人の比率が高まることとほど同義である。少しでも長く生きたいという明治大正生まれの高齢者から、オムツ交換や食事介助をされてまで生き続けたいと思わない昭和2ケタ生まれの高齢者へと死生観が大きく変わり、その変化に呼応するように、今後介護のあり様も劇的に変わるだろう。  講演では、ICT やハイテク機器を用いて生産性の上がった2025年の介護現場のあるべき様子や、医療介護の利用量が少ないが人生の満足度が高い2025年の高齢者の標準的な老い方・死に方を紹介する。