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講演内容・動画

講演 2

「コラボレーションのパラダイムシフト:アジア健康構想」

武見 敬三

参議院議員(武見フェロー)

 21世紀初頭以来の健康分野への地球規模での投資によって、三大感染症や乳幼児期の主要死因である肺炎・下痢症といった疾病対策は大きな進捗がみられた。その結果、多くの国で疾病と貧困の連鎖から解放された健康な次世代が生まれており、それはまことに慶賀に耐えない。しかし、若者世代の疾病対策の成功は、平均寿命の延伸をもたらし、世界全体が少子高齢化への歩みを始めていると言って過言ではない。これは、我が国の健康改善の歴史と方向性を同じくするものであり、他国に先んじて少子高齢化社会の突入した我々は多くの経験を世界と共有することが出来る。また、それは、従前の“チャリティ”としての国際貢献とは異次元の、相互に学びあい、人材を循環させ、我が国の医療福祉サービスとプロダクトの海外展開を介して新たな成長を我が国へもたらすものでもある。この講演では、高齢化社会に続々と突入してゆくアジア諸国と我が国が新しいパラダイムで互恵関係を作ってゆけるかを考察し、世界的な規模への発展の可能性についても論ずる。また、このような動向が、如何に日々の医療活動や生活に結びついているかについても言及する。