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講演内容・動画

基調講演 3

「世界医師会の貢献」

横倉 義武

日本医師会長 世界医師会長

グローバリゼーションの進展と共に、ボーダレス化が急速に進む現代において、感染症の蔓延や自然災害の発生に備え、国境を超えた医師の結束がますます重要となり、新しい時代に向けた体制作りが必須となっている。このことは、昨年、日本が議長国を務めたG7伊勢志摩サミット、G7神戸保健大臣会合において、国際的な危機管理体制の強化、国際保健の枠組みの強化が大きなテーマとなったことからも明らかである。  混沌とする世界情勢にあって、赤十字国際委員会が展開する「危機にさらされる医療」、環境と健康に多いなる影響を及ぼす「気候変動」、そして、不健康の社会的要因を取り上げた「健康の社会的決定要因(SDH)」の取り組み、さらに「持続可能な開発目標」(SDGs)のターゲットのひとつであるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の推進等、グローバルな課題への喫緊の対応が求められている。  日本の健康寿命を世界トップレベルにまで押し上げたわが国の医療システムの背景には、UHCとしての「国民皆保険」があった。医療が、UHCのあるべき姿の下で「世界全体の社会的共通資本」となることを理想に掲げ、世界医師会長としてこの優れた医療システムを世界に発信することにより、世界中の人々の幸福の実現に向け、114加盟各国医師会及びWHOを始めとした国際機関と連携して取り組んでいく。