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「生存科学」は、約40年前、故武見太郎先生によって提唱されました。生存科学は、ひとり個人の生存のみならず、同時代の地球上のすべての人々、そして世代を超えて、人類のより健全な、より人間らしい生存を目標として、自然科学のみならず社会科学、人文科学、さらには宗教・芸術まで含めた全人間的な知識の統合を科学的に行う極めて学際的な学問体系の概念です。人間生存の理法に基づき、ミクロからマクロに至る各レベルにおいてそれぞれの分野の理論思考を相互に統合させつつ体系化をはかるものといえます。そして西洋科学の方法論と東洋思想の統合による新しい方法論の開発への挑戦を提言しています。

 21世紀において、人類の生存のみならず、地球温暖化など“Planetary Health(惑星の健康)”が危機に晒されています。故武見太郎先生は“医療資源の開発と配分”そして地球資源の問題をすでに指摘されていましたが、今世紀の新たな人間の生存秩序を創造する学問として、生存科学の体系化が求められています。

1989年、当公益信託武見記念生存科学研究基金は、武見太郎記念論文集編集委員会編集を組織し、「武見太郎の人と学問」(丸善出版社)を発行しました。武見記念論文集と武見記念文と武見資料集が収録されています。また、日本医師会には武見太郎先生著「Socialized medicine in Japan」などの貴重な書籍及び資料が保管されています。 先生が亡くなってからすでに33回忌を過ぎ、将来的には資料の散失の懸念が生じてきましたので、本基金では「武見太郎資料館」をサイバー上に設け、先生の残された膨大な資料を順次整理し、本ホームページに公開するというプロジェクトを開始いたしました。 整理にあたっては、上記資料集の文献目録、引用文献などを勘案して、19のカテゴリーに分類し、2017年度は3カテゴリーの資料を整理させて頂きました。その際、公益財団法人 生存科学研究所に保管されている複写の一部を使用させていただきました。生存科学に関心のある方々に是非活用していただき、故武見太郎先生が我々に残したメッセージを多くの人が学ぶことをとおして、生存科学の学問体系化と発展に向けてともに挑戦したいと願っています。

 最後に、資料を使用させていただいた上記研究所および電子化へご協力いただいた日本医師会に感謝致します。

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