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講演内容・動画

講演3

「小児に対するオリンピック・パラリンピックのレガシーとしての意義」

岡田 知雄

神奈川工科大学応用バイオ科学部栄養生命科学科教授

わが国における1964年の東京オリンピック、そして2020年のオリンピック・パラリンピック開催という2回の栄誉を経験できるという幸運をわれわれは、わが国のそして世界の未来を担う子どもたちの健やかな成長のために有形、無形のレガシーとして活かす視点が極めて重要である。わが国の子どもたちの成育環境において抱える諸問題は、近代産業国家における共通の課題でもあり、幼児期から豊かで身近な自然やのびのびと遊べる環境を犠牲にしてきた今日、ICTの高度の普及発達により、生活は便利になる反面、益々子どもの実体験は削がれ、人類として子どもの心身の成長の危機が指摘されてきた。これはまた、発達障害の蔓延や母子を中心とした心の問題、育児の基本的な形態にも大きく影を投げかけている。また、障害を持った子どもたちが生きがいを持って社会に同等に参加しうる仕組みと知恵のためにも、成育環境の劣化に関して、今回のオリンピック・パラリンピックの開催を機会に、子どもの豊かな成育環境への転換をはかることにより、健やかな成長に貢献することこそ第一義的に実行すべきときであると確信する。