講演内容・動画

基調講演 2 
「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジをめざして:一歩一歩の進歩」

マイケル・ライシュ
ハーバード大学T.H. Chan 公衆衛生大学院武見プログラム主任教授 国際保健政策教授

世界保健機関(WHO)はユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を、各国が目指すべき保健政策のグローバルな目標として掲げている。昨年12月に東京で開催されたUHC フォーラム2017では、世界の保健分野のリーダーがUHC の支援を表明した。WHO は次の3つの側面を考慮してUHC を推進するよう勧告した:(1)対象とされるサービスは何か、 (2)対象とされる人々は誰か、 (3)プールされた資金から支払われる費用は何か。しかし、各国がどのようにUHC を目指すべきか、特に次にとるべき具体的な措置が何かということについては明確になっていない。本講演では、WHO と世界銀行がUHC に向けた各国の進捗状況を評価するために策定した世界的指標を見直すことにより、このような評価をする上での課題を検証する。世界的な指標は国際比較を可能にするが、政策決定者が自国を前進させるために次に何をすべきかについての指針を提供するものではない。そこで、2か国(日本とメキシコ)における医療システムを拡大してきた歴史的経過を振り返り、政策決定者がUHC に向けてどのように段階的に歩んできたかを概観する。両国は何十年もかけて、UHC の対象となる人口とサービス、そしてプールされた資金から支払われる費用割合を拡大してきた。本講演では、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジに向けて段階的にどのように前進するかについて、今日の低・中所得国が応用できるような指針を提示する。

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