講演内容・動画
講演 1
「UHCのサービス提供体制」
ミッキー・チョプラ
世界銀行保健サービス課長
公的医療制度においては、慢性的な資金と資源の不足及び管理の問題が常に指摘される。保健衛生設備における欠品率は50% を超えることもあり、人手不足も日常的に見られる。アメリカ大陸の医療従事者は人口千人当たり24名であるのに対し、アフリカではわずか2.3名である。 多くの貧しい消費者が、公共のものより質が落ちる民間の医療と製品を利用している。民間医療は、多層にわたる再販業者と数百万を数える小規模事業者によって細分化されており、効率的とは言えない。その結果として、貧しい消費者は必要不可欠な医薬品を手に入れるために工場価格の350%にも高騰する小売価格を支払うという有様で、また、偽造品が横溢し、訓練も監視も不充分な医療機関が横行している。 世界で最も隔離された共同体では死亡率もとりわけ高く、医療へのアクセスも極度に限定され、医療の品質も最悪で、進歩も極めて遅い。しかし、最近では、より豊かな国であっても、高齢化社会の結果として、継続的にケアを行わなければならない例が増えたため、従来の医療サービス提供モデルが圧迫されるようになっている。 現在、多くの国々では、単に患者に医療を提供するのみに留まらず、より充実した装備と支援と訓練を得た医療体制を配備し、共同体における医療制度を変革し、医療効果を改善することを目指すようになっている。しかしながら、このような取り組みの結果は、功罪相半ばするというのが実情だ。多くの場合、効率性が犠牲になり、また、持続可能な財政支援もままならないことが明らかになっている。このような経験からいかに学び、共同体の医療制度の未来を変革させるためにはどのようなイノベーションを新たに実現すべきか?