講演内容・動画
講演 2
「認知症ケアを支えるイノベーション、認知症をめぐる技術・社会革新、包括的支援認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」
大田 秀隆
厚生労働省 老健局認知症施策推進室 認知症対策専門官
わが国において、平成28年版の高齢社会白書で、平成27年10月1日での65歳以上の高齢者人口は3392万人、高齢化率は26.7%と世界一であり、この高齢化の進行ペースも世界と比較し類を見ないものとなっている。 世界アルツハイマー協会(ADI)が出した報告書「World Alzheimer Report 2015:The Global Impact of Dementia: An analysis of prevalence, incidence, cost and trends」の中では、世界中に2015年時点で既に4680万人の認知症の人がいて、約3秒に1人ずつ新たに発症し、その数が20年毎に倍増し、2030年には計7470万人にもなることを推測している。 今や世界共通の課題となっている認知症に対し、医療・介護にとどまらず、認知症の人に寄り添いながらよりよく生きていくことができるようしていかなくてはならない。平成27年1月にわが国で策定された「認知症施策推進総合戦略~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~」(新オレンジプラン)は、今や認知症は誰もが関わる可能性のある身近な病気(Common disease) であるということを社会全体として認識し、認知症の人が認知症とともによりよく生きていくことができるような社会環境整備を行っていくことを目指している。今回の発表で、地域包括ケアシステムに基づいた認知症施策の取り組みについて広く紹介したい。