故武見太郎先生は、哲学・倫理学・歴史学などの人文学、社会学・経済学・法学などの社会科学、医学・分子生物学・物理学などの自然科学など広範な分野にわたって、日本のみならず世界中の多くの研究者と議論を重ね、「生存科学」の概念を創造し、実践されました。 公益信託武見記念生存科学研究基金は、武見太郎像を理解し、故武見太郎先生が提唱された「生存科学」の理念・概念・実践の本質を探究し、学際的な研究の推進と一般の方への啓発普及を図ることを目的として、「武見記念賞・奨励賞講演会」、「生存科学懇話会」、「日本医師会 ハーバード大学 武見太郎記念国際シンポジウム」、「武見プログラム設立35周年フォーラム」、「2020年東京オリンピック・パラリンピックのレガシーとしての健康・タバコフリー社会づくりに関する国際会議」、インタビュー「武見太郎と私」など諸事業を行ってきました。 ここでは、「武見記念賞・奨励賞講演会」、「生存科学懇話会」、「活力ある長寿社会の健康像に関する概念整理講演会」の講演(動画を含む)、およびインタビュー「武見太郎と私」を収載しました。
第1は「武見記念賞・奨励賞講演会」です。本基金は、1983年以降、故武見太郎先生が創造した生存科学の普及・発展を図ることを目的として、顕彰事業を行っています。受賞者による講演会を開催しています。第28回(平成30年度)からのご講演の動画を収載いたします。
- 第28回武見奨励賞 可知悠子先生「労働者とその子どもの健康の社会格差 -メカニズムの解明と制御に関する研究-」
- 第29回武見記念賞 清家篤先生「豊かな長寿社会を将来世代に伝える」
- 第29回武見奨励賞 武藤真祐先生
- 第30回武見記念賞 横倉義武先生 「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の推進 -世界医師会長としての貢献-」
- 第30回武見奨励賞 山本陽一朗先生 「健康長寿社会に向けて -信頼できる医療人工知能技術の開発と発展-」 市川政雄先生 「高齢運転者対策の評価とエビデンスに基づく交通政策の提唱 -活力ある健康長寿社会のために-」
- 第31回武見記念賞 辻哲夫先生 「地域包括ケアのまちづくり -柏プロジェクトの実践と展望-」
第2は、生存科学懇話会です。他分野の研究者が集い、故武見太郎先生の資料と基調講演を基に、「生存科学」の本質を探究し、21世紀への展開を議論する懇話会です。小泉英明氏の基調講演を収載しました。
第3は「活力ある長寿社会の健康像に関する概念整理講演会」です。飯島勝矢教授(東京大学)、近藤克則教授(千葉大学)のご講演を収載しました。
第4は、インタビュー「武見太郎像と私」です。一般の方々には難解である「生存科学」について市民へ啓発普及を図ること目的にしています。先生との御縁のあった方々が、先生との触れ合いを通じて感得し、どんな啓発を受け、生存科学をどう考え、自らの研究と人生に取り入れたのか等について、塩野米松さん(作家)に6人の方々のインタビューをお願い致しました。それぞれの方々のお話を通じて、武見太郎像と生存科学に関心を持っていただきたいと思います。
第1弾として、小泉英明氏(日本工学アカデミー上級副会長、基金運営委委員、太郎先生娘婿)「武見太郎先生と生存科学」、丸井英二氏(人間総合科学大学教授、基金運営委員)「生存科学と私」、青木清氏(上智大学名誉教授、公益財団生存科学研究所理事長)「生命科学から生存科学への道-武見先生との出会いから-」のインタビューの内容をホームページに載せていただきます。
第2弾として、武見敬三氏(参議院議員、基金運営委委員、次男)、マイケル・ライシュ氏(ハーバード大学公衆衛生学術院教授、武見プログラム教授)、笠貫宏(早稲田大学特命教授、基金運営委員長)を予定しています。
生存科学にかかわるご講演やインタビューを通じて、1人でも多くの方々が生存科学にご関心を持っていただくことを願っています。
運営委員長 笠貫 宏